「Windsurf」って何者?開発現場を変えるAI搭載IDEの正体とは
2025-07-23

 1.  概要

Windsurfは、CodeiumのAI技術を活用した次世代の統合開発環境(IDE)です。Windsurfには、Cascadeという高度なAI統合システムが搭載されており、開発体験を大きく向上させます。Cascadeはコードに対する深い理解、多様なツール群、そしてリアルタイムのアクション認識能力を兼ね備え、シームレスかつ効率的なワークフローを実現します。

Cascadeの主なモード

  • Writeモード
    Cascadeがプロジェクト内のコードを新規作成または直接編集します。ユーザーは具体的な変更指示を出すだけで、Cascadeが自動的にその修正をコードに反映してくれます。
  • Chatモード
    コードやプログラミングの一般原則に関する質問に最適なモードです。質問に対してCascadeが丁寧に回答し、必要に応じて新しいコードを提案します。ユーザーがその提案を承認すれば、コードベースに自動で追加されます。
  • Legacyモード
    このモードはChatGPTに近い動作をし、すべての情報をテキストで提供する必要があります。一般的なテーマについて文脈なしで情報を生成したい場合に便利です。

Windsurfのメリット

現在、ある既存プロジェクトにWindsurfを導入し、新機能を追加しながら運用を行っています。このプロジェクトでは、Vue.jsを使ったフロントエンド開発も含まれており、実際に使用して感じた主な利点は以下の通りです。

  • リアルタイムでの共同作業のしやすさ
    • ユーザーの操作をリアルタイムで把握
    • コーディング中に一時中断しても、「continue」でCascadeが続きを実行
    • 現在開いているファイルを認識し、的確な提案が可能
  • Cascadeのツール呼び出し機能
    • Search: タスクに関連するコードベース内の情報を検索
    • Analyze: ファイルを解析し、文脈を深める
    • Write: ファイルに対する変更を自動で反映
    • ターミナル: Cascadeはターミナルツールを使用でき、ターミナルにアクセスしてコマンドの実行を行うことができます。
  • プロンプトに画像を追加可能
    • デザインのスクリーンショットなどを添付することで、Cascadeの提案精度がさらに向上します。

主な機能比較表

機能WindsurfCursorGitHub Copilot
統合ターミナル実行環境内ターミナルを搭載ワークスペース専用ターミナルを搭載非対応
複数言語のサポートPython、JavaScriptなど幅広く対応JavaScript、TypeScript、Python、Rust、Go等JavaScript、Python、C++などを広くサポート
フル機能のIDE編集環境VS Codeに近いUIでIDE機能を提供VS Codeベース+AIコーディング対応既存IDEに統合される形で提供

2. モデル

Windsurfでは、設定が非常に簡単で、複数のAIモデルを利用できます。モデルごとに性能が異なるため、User Prompt Credits(ユーザープロンプトクレジット)の計算方法も異なります。

利用可能な主なモデル

  • GPT-4.1
  • Claude 4 Sonnet
  • Claude 3.7 Sonnet
  • Claude 3.7 Sonnet(Thinking)
  • Gemini 2.5 Pro
  • その他

3. MCPプラグインについて

Cascadeのコントロールパネル右上のメニューにあるPluginsアイコン、またはWindsurf Settings> Cascade>Plugins から、MCPプラグインをプラグインストアより簡単に追加できます。

目的のMCPプラグインが見つからない場合は、mcp_config.jsonという構成ファイルを直接編集することで手動追加も可能です。

MySQLやPostgreSQLなどのデータベース関連のMCPを導入することで、Cascadeに対してER図(エンティティリレーション図)を自動生成するよう依頼することもできます。

4. Windsurfにおけるコンテキスト

コンテキストとは、Windsurfがコードベースに関連する情報を理解・記憶・活用し、あなたのコーディングスタイルに沿った正確な提案を行う仕組みです。

 動作の仕組み

  • コードベース全体から関連するコードスニペットを検索
  • 現在開いているファイルや、ユーザーが実行中の操作と組み合わせて判断
  • これにより、最適なベストプラクティスとしての提案が可能になります。

 コンテキストのカスタマイズ

  • 必要に応じて、特定のファイルやフォルダを手動でピン留めすることができま
  • 必要なものだけをピン留めするようにしましょう。ピン留めが多すぎると、モデルの処理速度や精度に悪影響を与える可能性があります。

コンテキスト利用のベストプラクティス

  • 修正したいコードやファイルを明確に指定してプロンプトに含めることで、Cascadeがより適切に理解・対応できます。

5. ルール(Rules)

  • ユーザーは、Cascadeが従うべき独自のルールを明確に定義することができます。
  • ルールは、以下のようにプロジェクト単位やグローバルレベルで定義可能です:
    • 全プロジェクト共通:global_rules.md
    • 特定プロジェクト専用:.windsurfrules.md
    • 特定コンポーネント専用:例).cicdrules.md

この機能を活用することで、プロジェクトごとのスタイルや規約に沿ったコード修正をCascadeに促すことができるため、非常に有効なベストプラクティスとなります。

コーディングガイドライン(例)

  • My project’s programming language is python
  • Use early returns when possible
  • Always add documentation when creating new functions and classes

6. 実プロジェクトでのWindsurfの評価

大規模なコードベースを持ち、現在メンテナンス中の実プロジェクトにWindsurfを導入した結果、特に既存コードの再利用が求められるタスクにおいて高い効果を発揮しました。

主なメリット

  • 高い精度
    大規模コードベースでは、既存ロジックの再利用が求められる場面が多くあります。再利用したいフォルダやファイル、関数を明確に指定すれば、Windsurfはそれに沿った正確で適切なコードを生成してくれます。
  • FigmaからのUIコード生成
    Figmaからキャプチャした画像をプロンプトに使用すると、HTML/CSSの骨組みを約60〜70%の完成度で自動生成できます。初期レイアウト構築の時間を大きく短縮できます。
  • 代替案の提案機能
    バグが発生した場合や実装方針を変更したい場合にも、Windsurfに相談することで別のアプローチを提示してくれます。
    例えば、最大のIDに+1して新しいレコードを作成する処理において、リクエスト競合により同じIDが発生してしまうケースでは、Windsurfが競合を防ぐためのより適切な手法を提案しました。
  • 品質の高いコード生成
    ログ出力やtry-catch構文による例外処理などが含まれており、メンテナンス性やデバッグのしやすさも確保されています。

課題と制限

  • 一部のモデルでは、fillableプロパティが未定義であったり、主キーがidではなくorder_idとなっているようなケースに対応できず、正確なコード生成が困難な場合があります。
  • UIコードの生成では、期待通りの結果が得られなかったり、小さな不具合が含まれることがあります。そういった不具合を正確にCascadeへ説明するのが難しい場合もあり、その際は手動による修正が必要です。

7. Windsurfを効果的に活用するためのコツ

Windsurfの機能を最大限に引き出し、開発効率を高めるためには、以下のポイントを意識して活用することが重要です。

  • 変更のコントロールを積極的に行う

Windsurfにコード生成を依頼する前に、自分が修正したコードをstaged changesに追加しておきましょう。これにより、Windsurfが生成した部分を正確に確認でき、レビューもスムーズになります。

  • 既存ロジックの再利用を明確に指示する

過去に似た処理がある場合は、その関数の位置まで具体的に示しましょう(例:@index.html#L41-48)。Windsurfが文脈をより正確に把握し、既存の実装を適切に再利用する手助けになります。

  • フォルダ・ファイル構成は自分で主導する

事前に必要なフォルダやファイルを自分で作成しておき、その中にロジックを実装するようWindsurfに指示しましょう。これにより、不要なファイル生成やプロジェクト構成の乱れを防げます。

  • インターンに指示するようにプロンプトを書く

プロンプトを書く際は、インターンに具体的なタスクを依頼するイメージで指示を出しましょう。指示が具体的であればあるほど、Windsurfの出力も意図に近いものになります。

  • .windsurfrulesファイルを活用する

使用するフロントエンド/バックエンドのライブラリを.windsurfrulesに明確に定義し、Windsurfがそれらのパッケージ内でコードを生成するように設定できます。また、package.jsoncomposer.jsonなどの構成ファイルを元に、必要なパッケージ名やバージョンをWindsurfのチャット上でそのまま伝えることも可能です。

  • AIに適切なコンテキストを提供する

Windsurfは現在開いているファイルや記述中のコードスタイルを認識します。そのため、タスクに関連するファイルだけを開き、不要なファイルは閉じることで、より高精度なコード生成が期待できます。

8. ドキュメント不足のプロジェクトにおけるWindsurfの有効活用

ドキュメントが不十分なプロジェクトにおいても、Windsurfはソースコードをもとに技術ドキュメントの自動生成を支援するツールとして活躍します。

生成可能なドキュメントの例

  • APIドキュメント
  • モジュールの概要説明
  • 各コンポーネントやサービスの詳細

生成可能な技術図

  • クラス図(Class Diagram)
  • データフロー図(Data Flow Diagram)
  • アーキテクチャやロジックを説明するフローチャート

これらは、引き継ぎが不十分なレガシーシステムや、当初からドキュメントが用意されていないシステムに対して特に有効であり、システム理解や新メンバーのオンボーディングにかかる時間を大幅に削減できます。

9. 総括

Windsurfは、現代的な開発環境の柔軟性と、Codeiumが提供する強力なAIを融合した、次世代AI統合型IDEとして注目されています。

中心機能であるCascadeシステムは、コードの生成だけでなく、コンテキストに基づいた分析や検索、さらには開発者の実際の操作に応じたインタラクティブな支援を提供します。

さらに、複数の高度なAIモデルの統合や、MCPを通じたツール拡張機能により、保守プロジェクトにも新規開発にも対応できる柔軟性を備えています。

従量課金制+明確なクレジットポリシーにより、実務にAIを取り入れたい開発チームにとって、現実的かつ効果的な選択肢となるでしょう。

出典:https://docs.windsurf.com/windsurf/getting-started

ニュースレタ ーお申し込み
Có lỗi nhập

Email này của bạn đã được đăng ký rồi.

x