日本の不動産仲介業務では、物件情報の収集、問い合わせ対応、追客、内覧調整など、多くの業務が依然として人手に依存しています。
特に、複数の不動産ポータルからの情報確認、PDF図面の確認、電話・LINEでの顧客対応、CRMへの手入力、内覧スケジュールの調整など、営業担当者にかかる業務負荷は大きく、対応スピードや成約率にも影響を与える重要な課題となっています。
当社はこのような課題に対し、AI・DXを活用して不動産仲介業務全体を一元化する統合プラットフォームを開発しました。
本記事では、日本の不動産会社向けに開発したAI DXシステムの事例をご紹介します。
不動産仲介会社では、日々多くの物件情報や顧客問い合わせを扱う必要があります。
一方で、現場では以下のような課題が発生していました。
これらの業務が分断されていることで、営業担当者の負担増加、追客漏れ、情報の重複、対応遅延、成約機会の損失につながる可能性がありました。
本プロジェクトでは、単に一部の業務をシステム化するのではなく、物件情報の収集から顧客対応、物件提案、内覧予約、担当者調整までを一つの業務フローとして捉え、AIとDXを活用した統合システムとして設計・開発しました。
システムは主に以下の4つの領域で構成されています。
各機能を個別に開発するだけでなく、営業担当者が日々の業務の中で自然に利用できるよう、CRM、LINE、VoIP、AI OCR、AI音声認識、リアルタイムスケジュール管理を連携させました。


公開されている不動産情報から空室物件データを自動で収集し、取得した情報をシステム上で管理できるようにしました。
さらに、AI OCRを活用し、図面や物件画像から必要な情報を自動で読み取り、データベースへ登録します。
これにより、営業担当者は大量のPDFや画像を一つずつ確認する必要がなくなり、顧客条件に合う物件を短時間で検索できるようになりました。

不動産仲介会社では、SUUMO、at home、LIFULL HOME’S、Yahoo!不動産、CHINTAIなど、複数のポータルサイトを同時に利用するケースが多くあります。
本システムでは、各ポータルからの問い合わせやメッセージを自動で集約し、重複チェックを行った上でCRMへ連携します。
これにより、媒体ごとに問い合わせを確認する手間を削減し、リードの取りこぼしや重複対応を防ぐことができます。

営業担当者が顧客対応を行うCRMには、VoIPによる通話機能を組み込みました。
通話中には、画面上にヒアリング項目が表示され、営業担当者は顧客の希望条件を確認しながら入力できます。
通話終了後は、AIが音声データを自動でテキスト化し、会話内容の要点を自動要約します。
これにより、通話後の報告作成やメモ入力の負担を大幅に削減し、次の追客アクションへ素早く移れるようになりました。
また、収集した希望条件をもとに、システムがリアルタイムで物件データと照合し、顧客に合う物件を提案できる仕組みも構築しました。

日本の顧客にとって使い慣れたLINEとCRMを連携しました。
営業担当者はCRM上で顧客対応を行い、顧客側はLINEからメッセージを確認・返信できます。
これにより、社内では業務管理をCRMに集約しながら、顧客には普段使い慣れたコミュニケーション体験を提供できます。

顧客には専用の物件提案ページを発行し、営業担当者が送付した物件一覧を確認できるようにしました。
顧客はそのページ上で気になる物件を選択し、内覧希望日時を登録できます。
内覧希望が登録されると、営業担当者へリアルタイムで通知されます。
さらに、社内向けにはスケジュール管理ダッシュボードを構築し、希望日時に対応可能な内覧担当者を即座に確認できるようにしました。
内覧前・内覧中・内覧後のコメントやステータスもCRMへ同期されるため、案件の進捗管理を一元化できます。
| Before | After |
| 物件情報を複数サイト・PDFから手作業で確認 | AI OCRとデータ収集により、物件情報を自動データ化 |
| ポータルごとに問い合わせを確認 | 複数媒体のリードをCRMで一元管理 |
| 重複リードや対応漏れが発生しやすい | Deduplicationにより重複を自動判定 |
| 通話内容を手入力で記録 | AI Speech-to-Textと自動要約で記録業務を効率化 |
| LINEとCRMが分断 | CRM上でLINE対応を一元管理 |
| 内覧調整を手作業で実施 | 顧客のワンクリック予約と担当者アサインを自動化 |
| 営業担当者の経験や作業量に依存 | データとAIを活用し、対応品質を標準化 |
本プロジェクトでは、不動産仲介業務に必要な複数の技術を組み合わせ、実際の業務フローに合わせたDXプラットフォームを構築しました。
主な技術要素は以下の通りです。
特に、AI単体の導入ではなく、CRM、通話、LINE、物件データ、内覧管理を一つの業務プロセスとして連携させた点が本プロジェクトの大きな特徴です。
今回のプロジェクトは、単なるシステム開発ではなく、日本の不動産仲介業務の流れを理解した上で、AI・DXを活用して業務プロセス全体を再設計した事例です。
PiraGoでは、不動産業界におけるDX・AI活用に対して、企画段階から設計、開発、テスト、リリース、運用保守まで一貫して対応可能です。
特に以下のようなテーマでご支援できます。
不動産業務には、物件情報、顧客情報、問い合わせ履歴、内覧履歴、営業対応履歴など、多くのデータが存在します。
これらのデータを分断したまま管理するのではなく、業務フローに沿って統合・活用することで、営業効率の向上、顧客体験の改善、成約機会の最大化につなげることができます。
| 項目 | 内容 |
| 対応工程 | 開発、テスト、リリース、運用保守 |
| 開発規模 | 1年間・91人月 |
| 体制 | 9名体制 |
| 開発言語 | PHP、Vue.js |
| 契約形態 | ラボ型開発 |
| コミュニケーションツール | Slack、Jira |
| 打ち合わせ | 開発チーム内:毎朝 / お客様との定例:週1回 |
| 対応言語 | 日本語、英語 |
不動産業界では、物件情報の管理、顧客対応、追客、内覧調整など、現場に近い業務ほど属人化しやすく、DXの効果が大きく表れます。
PiraGoは、AI・システム開発・業務理解を組み合わせ、不動産会社の業務に合わせたDXソリューションをご提案します。
不動産DX、AI活用、CRM開発、業務自動化をご検討中の企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。